そして、それから二年が経った頃、ラナとデントの間には一人の子供が生まれていた。可愛らしい女の子である。デントとラナは、祖父のトムに命名を頼んだ。彼は、その子に『トナ』と名付けた。
水星が北の星と重なる時、ノース・グリード・スターが現れた。リデロは、他の日もちょくちょく来ていたが、この日もやはり訪れた。
「久しぶりだな、デント。」
ノースがそう言ってにっこりと微笑むと、妻であるラナが娘のトナを連れて現れた。ラナにノースが、このセリアの均衡を聞いている間、リデロはデントと話していた。
「帰っていたのか?」
「嗚呼・・・」
低いセリアのオークとドワーフの言葉で、二人はそう言っていた。
「そうか・・・。これを、持って行け。俺よりも、お前が持っていたほうが言いと思う。ノースは忙しいからな。悲しみに浸る間を、与えたくない。」
デントはそう言うと、あの日、大気の精にバンクスがもらった、幻のアメジストのイヤリングを渡した。


