その夜、皆は、その場で寝入ってしまった。よほど疲れていたのか、楽しかったのか。一人、また一人と、崩れるように眠りに落ちていった。
「グリード様、お体に触りますよ。」
ブラウンはそう言うと、毛布を人となっていたグリードに渡した。
「ありがとう、ブラウン。」
そう微笑むと、ブラウンは一礼してノースやエネルの元に向かった。そして、彼らにも、毛布をかけていった。
次の日の朝、日が昇ると共にノースは目を覚ました。人の姿で外に出ると、すでに起きていたグリードがそこにはいた。グリフォンの姿で、昇る朝日を眺めていた。
「父上・・・。」
「嗚呼、起きたのか。見ろ、ノース。綺麗な朝日だ・・・この世の均衡を保つのは非常に難しい。この、わしにも、だ。だが、お前ならやれると信じている。」
「はい、父上。」
ノースがそう言うと、父はにっこりと頷いた。くるりと後ろを振り返ると、そこには、エネルが居た。いつもよりも美しい姿で、そこに立っていた。
「父上。そろそろ、どうですか?ノースの即位式。」
エネルが笑顔でそう言うと、父は大声で嘶いて人の姿になった。そして、広大な大地に降り注ぐ朝日に跪いた。エネルも人の姿になると父の後ろに跪く。ノースもエネルの横に跪いた。


