「女ぁ・・・逃がさない。お前は俺が喰べる！」
　「気色悪いね。美咲様の通行の邪魔だよ、どきな！！」
　美咲がそう言って上から見下すような目線をおくると、マンティコアは鋭い牙を剥き出しにして襲い掛かって来た。間一髪、再びデントがマンティコアに殴りかかっていた。
　「お前、相手、俺。他、手、出させ、ない。」
　デントがそう言うと、マンティコアは美咲の方を向いてこう言い返した。
　「女ぁ。お前は、ここに居ろぉ。」
　「イ・ヤ・ダ・ネ・♡」
　美咲はそう言うとベッと舌を出して、北斗達と共に階段を駆け上がった。
　「あああぁぁぁぁああああー！」
　マンティコアは叫び声をあげると、デントに体当たりした。ギリギリでその巨体を受け止めたが、デントの強靭な肉体でさえ、はるか後方の壁まで飛んでいった。その瞬間、戦いの火ぶたは切って落とされた。狭い空間に、鈍い音と絶叫にも似た声が木霊する。徐々に徐々に、デントの防具などが無残にくずれ、そしてその身が赤く染まっていく。