〔こんばんは、聖堂時明。久しぶりだな。〕
 「てめぇ・・・何しにきやがった!?」
 明が腰の剣を抜くと、彼はたしなめる様にこう言った。
 〔剣をおろしたまえ、我等が同士よ。〕
 「・・・何?」
 〔いつも奴に負けてばかりで、悔しくはないか?一緒に来い。セイドウジアキラ。〕
 彼はそう言うと、明の頭にその手をおいた。明は何の抵抗をする事もなく、デーモンキングについていった。ふらふらと、闇に吸い込まれるかのように二人は消えていった。

 カシャ―ンと言う金属音が聞えた。音があった場所に行って見ると、明の持っていた剣が、その場に落ちていた。明本人は、すでにその場には居なかった。
 「明・・・?」
 北斗がそう呟くと、デーモンキングの笑い声が聞えた。二人は瞬時に理解した。明がデーモンキングにさらわれた事を。
 「・・・どうすんだい?北斗。」
 美咲だった。美香の精神状態が不安定になったのだろう。目を瞑るより先に、美咲は現れた。