そんな中、美香は北斗を呼び出していた。切り立った崖のような所で、二人は話し始めた。
「ごめんね?北斗。急に呼び出して。」
「ううん、別に良いよ・・・それで、話って何?」
「あっ、あのね・・・・あたし、明が好きなんだ!ごめんね、北斗。」
「言う前に・・・ふられちゃった、か。」
「ゴッゴメ―――」
「美香が謝る事は無いよ。気にするな。でも、そうか・・・。」
この時、ちょうど明は起きだしていた。美香に自分の気持ちを伝えようと思ったからである。美香を見つけると、明は美香のほうに早歩きで向った。
「――――――かな?」
「ダメ!明はダメ!」
「どうして?」
「だって、明は・・・・・とにかく、明はダメなの!」
美香がそう言うと、後ろからパキッと言う小枝の折れる音が聞えた。美香と北斗は瞬時に振り返って、蒼白な顔になった。明がそこに立っていたからである。


