「ケンティス！」
　父は、息子の名前を呼んだ。豹変した息子は、父に切りかかった。人の姿でいた父の腹部に、激痛が走った。息子の槍を全身で受け止めたのだ。父の口元には、うっすらと笑みが浮かんでいた。
　「パ、パ・・・？パパ！？・・・ごめん、なさい・・・・」
　息子は一言呟くと、灰になった。王子が首につけていたネックレスだけが、王の腕の中に残った。王子の幼い目からは、一筋の涙がこぼれていた。灰は息子の涙で濡れていた。王の目からも大粒の涙が溢れた。
　王子の葬儀は、その夜ひそやかに行われた。王は、この悪夢の現況がデーモンキングであると悟った。そう悟ると、王は国民に告げた。
　「我がウィングの誇り高き民よ！今こそ、我に集え！そして、闘え！この悪夢を、二度と繰り返さぬために！！」
　その言葉に、賛同の声があがった。大勢の国民がその場に立ち上がった。大人も子供も、男も女も、王と共に戦いたいもの全てが立ち上がった。