皆はそれぞれ、割り当てられた部屋に向った。それぞれの体格と個性にあった部屋を、彼は用意していてくれた。まるで、ここに来るという事が事前に解かっていたかのように。
 皆が寝静まった頃、ユニコーンとヒッポグリフは城内から城下を、そして彼の広大な領土を眺めた。
 「美しいだろう?」
 「嗚呼、そうだね。」
 兄弟は、そう言ってテラスに立っていた。
 「弟よ・・・我は、一体どうすれば良い?どうすれば、父上やお前のように決断できるのだ・・・?」
 不意に、兄はそう聞いた。彼は、一国の王であり、父であり、兄でもある。全ての者を守るなんて事は出来ないだろうが、そうしたいのだ。絶大な信頼の元に、この国を治めてきたのだから。