魔法書使いの蒼き人



――バサッ!


白虎が通り過ぎた後すぐに赤いシルエットが蒼空を横切った。


サウスト国の神、朱雀。


火を司り、辺りの気温を上昇させる。


今日は気温が高いのにますます上昇させる気か。


朱雀はピィーと鳴いて飛び去っていった。


白虎が飛び去っていった方向に、だ。


霊獣って主人に似るもんだったっけ?


「……それにしても、玄武とはいい、白虎とはいい…朱雀もだが、レイを見ると立ち止まるんだな」


ふとした事を言って、ロイドは汗を拭う。


「当たり前じゃないか! レイリア様を素通りするなんて神でも罰当たりだぞ!!」


「霊獣の方が偉いよー」


「霊獣、といえば。 セントラルの神」


ダァチがハッとした表情になる。


「あぁ…麒麟?」


そう言えば言ってないんだった。


「あたし、それを召喚できる程の力がもうないの。 あたしが唱えようともあれっきりでね……」


だけどそれはあたしだけの力がじゃない