「……ナルシス、ニーナを連れて後ろに後退。 ゆっくりね」
今のソフィは動くものに狙いを定めている。
ナルシスはニーナを抱き締めたまま、後ろに下がり始めた。
「レイ、あれって……」
「まさか、再びお目にかかるとはね。 しかも、一つじゃない」
弱い個体が多数に集まると強くなる。
非常に厄介な状況になってきた。
「……ぅ……」
「!」
微かに聞こえた声。
ソフィの目から一筋の涙が流れた。
まさか、意思が完全に乗っ取られていない?
「……っ、ソフィ、聞こえる!? お願い、応えて!」
あたしは叫んだ。
「……レイ、さ…ん」
「ソフィ……」
光が見えてきた。
「聞きたい事があるの。 貴女は、本当にその力が欲しい?」
ソフィの近くで倒れている腕を折った女性。
それを見たソフィが怯えた表情になった。


