魔法書使いの蒼き人


「敵に背を向けて走っちゃいけませーん!」


地面を必死に這いながら逃げる女生徒に投げかける。


「っ!?」


よほど怖かったのか目に涙を浮かべ鼻水を垂らしていた。


最後まで見届けた後にソフィに視線を向けた。


シールドを解除してから近づいて、しゃがむ。


「濡れた服乾かすから、じっとしててね」


風を唱えて、しばらくそのままにさせていた。


「……レ、レイちゃん」


茂みから恐る恐る顔を出したニーナ。


「あたしらしかいないから、こっちおいで」


手を何回か曲げて、ニーナを迎えた。


「さ、さっきの何!? スゴく怖かったよ!」


ニーナは顔を青ざめながら言った。


「先輩とやらの特権を使った」


別にこだわりたくはないけどね。


「どう? 湿ってない?」


立ち上がったソフィをしゃがみ込んだまま見上げる。


申し訳無さそうな顔をしていた。