――――……


「あんた、バカでしょ」


「言ってないなら知らないの当たり前ですわ」


「でもバカ正直な所がー、レイ様の長所なのよー」


「……」


「……スゥ」


いきなりバカ呼ばわりされてるけど、


「森の中だから良いけど、勝手に出てくるんじゃない」


あたしが注意したけどここで飛んでいる精霊達には聞こえてないみたいで……。


「「「 なんで? 」」」


と逆に聞き返されてしまった。


「あのね、万が一魔法書から出てきた所を見られたらこれ狙う輩が現れるでしょ? 前にもあったじゃない」


わざとらしく溜め息をついて倒れている木に腰掛ける。


「それでもレイは取り返しに一人で来たわ」


「あの時のレイ様は格好良かったー」


「……そうね」


「……スゥスゥ」


「……」


あたしは未だに眠っている緑の精霊をつつく。