「それでは最後の候補にご紹介します」


店員さんが杖を振って着せられたのは白の上着にズボン、膝丈ブーツ。


手にはシルクハットを持っている。


「……?」


レイちゃんは首を傾げながらもシルクハットを被った。


「お客様、思っていた以上にお似合いです!」


店員さんは拍手を送り出す。


「あの…それって男装だよね?」


「そうだね。 ニーナ、これはどうかな?」


レイちゃんは決めポーズとやらを披露する。


「キャアアアッ! カッコイイですわ!」


「もうそれでいいんじゃないの!!」


アクアとフレイムがキャーキャー騒ぎ出した。


「……確かにいいけど、これ着る機会ないよね」


ピタリと声がやんだ。


「そうだね。 コレと露出の多い候補以外から選ばせていただきます」


レイちゃんは申し訳無さそうにシルクハットを外した。