魔法書使いの蒼き人


「レイ、俺と踊るか?」


……間が開いた。


「……へ?」


驚きで目を見開くレイ、淡々と言葉をロイドが並べていく。


「決まっても、引き受けてもないんだろ。 一回は踊らないといけないし、せめて知っている奴と踊りたいんだ」


「……でも」


「なんだ? そういう相手はいるのか?」


「……!」


レイは顔を赤らめて視線を逸らした。


そんな態度、始めてみたかも。


「……いいんじゃないか」


「……え?」


知らない奴と踊られるよりはマシかもな。


必然的に思ってしまった俺は、レイとロイドの横に立った。

「目立つ二人なら注目の的かもな。 引き受けたら?」


「……で……てる?」


レイが何かを呟いた。


気のせいか表情が堅くなっている。


「……リュウキの言った通りにする。 よろしく、ロイド」


「こちらこそ」


ロイドが差し出した手の上にレイが重ねた。