｢ニーナに関わる事だったらすぐに気づくと思ってたんだけどなー｣


｢リュウキ、ようやく妹離れしたんだな｣


｢何だよ、そのシミジミ感は｣


話を変えるために俺はロイドを顔を向けた。


｢じゃあ、ロイドは誰と踊るんだよ｣


｢……さぁ｣


さぁ、って何だ？


どこ行くにも女子生徒達からの熱意の籠もった視線を送られていたのに。


……ロイドは気づいていないと思うんだが。


｢というか、俺は踊らないし｣


｢……踊れないの？｣


レイの言葉に首を横に振った。


｢……誰とも踊りたくないだけだ｣


不機嫌そうに顔をしかめるロイド。


｢……去年、一昨年大変だったもんな｣


｢……｣


そっぽを向いた。


｢え、でも強制なんだよね。 無理してでも踊らないと、ねぇ？｣


｢……そうだが｣


そこでそっぽを向いたままのロイドが視線をレイに戻す。