「何なの! いきなり"僕と踊って下さい"って言われて、事態も分からないのにうんって言えないでしょう!?」


「……そういえばレイは知らないんだったな」


「何が?」


俺の方を見て首を傾げた。


「新学期の一週間後に全学年の対面式がある。 その時に相手とダンスを踊らないといけないんだ」


「へぇー」


「今日か明日から男の子は踊りたい女の子を誘うんだよ」


ニーナの言葉にレイは眉を寄せた。


「だからか…あたしじゃなくてもよくないか?」


本当にレイは自覚ないなー。


呆れ混じりの視線を向けると目があった。


「……何?」


「ん、いや、何でもない」


すぐさま首を振って否定した。


「……所でさ、皆は誰と踊るの?」


今まで黙っていたマリーヌが口を開いた。


その目は興味津々のようにキラキラしている。


マリーヌをみてレイはニヤリとした。