魔法書使いの蒼き人


「……なっ!?」


顔を正面に戻し、目を見開いたリュウキの目から涙が流れ落ちる。


あたしは、笑いながら、校門から出て振り向いた。


「さらならは言わないよ。 今度会うのは、皆がそれぞれの将来の道に歩んでいる時かな。 それまでの間……"またね"」


手を振って、背を向けて走りだした。


ニーナとナルシスが何かを言っていたが、立ち止まる事なく走って走って……。








「本当にこれでよかったんですの?」


また、勝手に出てきた精霊達。


アクアがあたしの頭の上に座って聞いてきた。


足を止めた先は、何もない広範囲を占める草原だった。


膝下位の長い草がびっしりと地面を覆っている。


「ここって……」


言い切る前にサアッと風があたしの頬を髪を撫でた。


「レイー、久し振りにー野宿するのー?」


夕焼け空があたし達を照らしている中、アースが聞いてきた。