魔法書使いの蒼き人


〈side. Rei 〉

――――……

あれから数ヶ月が経ち、卒業を翌日に迎えようとしている。


あたしはというと、


「レイちゃんが学校出るなんて~…」


「あわわ、泣かないでよニーナ。 あたしだって泣きながらお別れなんてできないし」


まさかタイミングよく校門前で皆と鉢合わせしてしまうとは。


「だからって周りに言わないで行こうとは思わなかったよ」


「……ごめん」


ナルシスに素直に頭を下げた。


「イースター国までは歩くのか」


「まぁね。 ゆっくりと思い出を噛みしめていくよ」


「……そうか」


それ以上ロイドは言葉を挟まなかった。


「……リュウキ」


少し離れた所に立っているリュウキの元に歩く。


プイッと顔を横に逸らされ、


「……着いたら手紙よこせよ」


目には微かに涙が浮かんでいる。


「うん。 着いたら真っ先に送るよ」


リュウキの頬に軽くソッと口づけた。