魔法書使いの蒼き人


「俺は卒業後に騎士団に入る。 そこで名を残す」


レイを指差し、


「で、いつかはレイに勝つことだ」


「……いつでも受けて立つよ」


ロイドは小さく笑った。


「僕は家の跡を継ぐかな? 家が代々の花屋なんだ」


「初耳だな」


「……言ってないからね。 ここらじゃ、知らない人はいないはずだよ」


「へー…今度、行ってみようかな」


「……そういうレイは一体何になりたいんだ」


「あたし? あたしは、レミリアの補佐、何て言えないから秘書と教師に言った」


「それだけ?」


「……それだけじゃない」


レイは何だか言いにくそうに口をもごもごしている。


「……皆決まっているんだな」


俺だけが、なんか置いてけぼりにされている気がする。


「リュウキ、まだ時間はある。 ゆっくり考えていけばいい」


「……おう」


俺は置かれているクッキーに手を伸ばした。