魔法書使いの蒼き人


少し離れた所に一組の親子と一組の恋人同士が頭を下げていた。


「あ、二日後に婚約するんだって言ってた!」


ニーナが思い出したかのように人差し指を立てて言った。


――バンッ!


「末永くお幸せにー!!」


レイが馬車のドアを開けて身を乗り出して叫んだ。


「何やってんの!?」


「レイちゃん危ないよ!」


突然の行動にマリーヌとニーナが慌てふためいた。


――バタンッ


「……ご心配おかけしました」


平坦な道でドアを開けたのが幸いだ。


「ニーナ、そんな大事な事なぜ今になって言った?」


「……昨日あって、"レイ様には出発した後に伝えて下さい"って言われたの」


「……そうなんだ」


座席に深く座り、息を吐いた。


数時間後、イースター国に到着し学園前におろされた。