レイはレミリア様から離れて、両親の元に歩いた。
「じゃあね。 また、戻るから」
「いつでも待ってるぞ」
「レミリアは私がキッチリしごいてあげるんだから!」
「「ほどほどにな(ね)」」
和気あいあいと話が盛り上がった後、レイの頭にレオンさんとアリアさんが同時にキスをした。
レイが両手で頭を押さえた所を見て笑っている。
「……」
両親に背を向けて歩いて来た表情はなんだか照れてるように見える。
「……何?」
「別に」
俺の後にレイが馬車に乗って扉が閉まり、動き出した。
後ろ窓ガラスから見ると、アリアさん、レオンさん、レミリア様が手を振っている。
「降り返さなくていいのか?」
「いいの。 しばらくの間だけだし」
縁に肘を付けて頬杖をしているレイの横顔は何だか嬉しそうだ。
「……あ」
向かい側に座っているニーナが何かに気づき声を上げた。