大臣だった。
「はぁっ!? 私何がなぜ。 レイリア様、こんな奴の言う事なんか信じてはいけませんっ!」
「あたしは人の話は信じる方だけど、何を焦っている」
「わ、わ、私は何もっ!」
めちゃくちゃわかりやすいな。
大げさにモノクルのレンズを拭いてはめる。
それが何回もやっているのだ。
あたしは使用人に視線を向ける。
「娘さんは?」
「そのまま連れ去られました……」
「……そう」
視線を大臣に戻す。
「一つ聞きたいんだけど、彼の話にでた"あの人"はどんな罪に問われるんだっけ?」
「そっそれは、脅迫に誘拐ですから…牢屋に入れられ、さらに地位を下げ……」
そこで言葉が止まった。
あたしはニヤリと口角を上げる。
「それをそのまま、あんたに返すわ。 大臣の身分を取り上げて、領地も返して貰うよ」
大臣は酸素を求める魚のように口をパクパクしている。


