「……ねぇ、降参したら? ボロボロだよ?」


あたしは首をかしげる。


肩で息をしているから、身体は限界かもね。


そう思ったんだけど……。


「……ふっ」


ロイドは突如笑い出し、


「誰が降参するか。 俺はまだ続けられる」


杖をあたしに向けて、目を細めた。


やる気なのは、嬉しい。


だけど、これ以上無理はして欲しくないな。


「……じゃあさ、お互いに同じ技出そうか」


「どういう事だ」


あからさまに訳が分からないと言っているようだ。


そりゃそうか。


「だって、ロイドが意外と負けず嫌いだったなんて…クールな第一印象だったのに……」


「……」


ハァと溜め息をつくと、


「わかった。 その話乗ってやるよ」


「そっか……じゃあ、ロイドの得意技でいいよ」


ニッと笑い、魔法書に手を翳す。