「俺が言いたかったのはな、リュウキが今行ってしまうと大臣の"思惑通り"となってしまう事だ」


「思惑通り?」


ロイドは手を離し頷く。


「なぜ、俺ら四人を見下す言い方をしたか分かるか? ……挑発に乗らせるためだ」


「な、何のためにだい?」


ロイドから離れたナルシスが聞く。


「後ろ側にいたから周りの様子が見えた。 大臣の言葉にダァチさんとソールが動こうとした所をな。 すぐにマリーヌとサラサ様に止められてたがな」


「それと思惑通りとはどうつながるんだ?」


「……考えて見ろ。 止める奴がいなかったのはジュリア様か俺ら四人」


「……レイちゃんは?」


「レイは病み上がりだ。 まともに動けるハズないと思いこんでたんだろう」


「……! まさかっ」


「……やっと気づいたか」


ロイドは横にいるニーナと後方のナルシスを順に見ていく。