魔法書使いの蒼き人


「……ゔ」


レイはうずくまったまま口を押さえる。


「レイ!」


マリーヌがレイの側まで行き、背中をさする。


「ハァハァ……っく」


顔を青ざめさせ、扉を睨む。


「レイ、今日は休んだ方がいいよ……」


ダァチさんが肩を掴む。


「何言ってんの? 休んでいる場合じゃない! リュウキ達が馬鹿にされて平然としてられないよ!」


その手を振り払った。


「……レイ」


やっと声が出たかと思うとひどく震え、掠れていた。


「……っ」


俺らをみた後レイは声を押し殺して泣き始めた。


「レイ、悪かった。 何もできなかった」


俺はあの大臣から見れば下級かもしれない……。








「リュウキどこ行くつもりだ?」


部屋をでた後、ロイドの声が廊下に響いた。


「どこってあの大臣の所に決まってる」


三人とは反対側に行こうとしていた歩を止める。