魔法書使いの蒼き人


「そこの下級人はすぐに帰っていただけませんか?」


大臣のつけているモノクル越しに見据えられる。


下級人とは学生であり王族ではない俺ら四人の事だろう。


突然の事態に俺らは固まっていた。


「……今すぐ取り消しなさい」


低い声を発したレイがベッドから降りた。


身体をふらつかせながら大臣の元に歩き出す。


「何をですか? ただ、下級人に立場をわきまえていただきたかったの「それを取り消せって言ってるのっ!!」」


大臣の胸倉をつかみ叫んだ。


体力が戻ってないからなのか肩で息をしている。


「……やれやれ」


大臣は息をつき、鋭い膝蹴りをレイの鳩尾にお見舞いした。


「うぐっ!」


`!!?´


膝をついたレイの髪を掴み頭を仰け反らせる。


「……出来損ないの姫を持ったオレらを考えて見ろよ」


そう冷たく言葉を吐き捨て、大臣は部屋を出て行った。