魔法書使いの蒼き人


――――……

「う……ん」


ゆっくりと瞼を開ける。


見慣れた部屋。


天井のシャンデリア、あたしが寝ている広いベッドに近くにクローゼット、ドレッサー、本棚が置いてある。


ここはあたしが使っていた部屋だった。


しかし、お気に入りだったぬいぐるみや本がなく、机とイスはあるが、飾る物がない。


正直、殺風景すぎる。


あたしがいなくなった後、ここにあった物を売ったのか、捨てたのか。


だいたい検討はつく。


そういえば、長い事夢を見ていたな。


どんなのだったっけ?


「まぁ、いいか」


それよりは今は何時だろう。


大きな窓を見ると太陽が真上に昇っていた。


――グゥウウウッ


「……お腹すいた」


ゆっくりと上体を起こした所で、扉が開いた。


ガシャンと何かが落ちる音にビックリして、視線をドアの方に向ける。