魔法書使いの蒼き人


〈side.Rei 〉

思わず、放出しちゃったよ。


切り替える時ついやっちゅうんだよね。


深呼吸し少しずつ魔力を抑えていく。


「……よし」


あたしは目を閉じ両手を魔法書の上にクロスさせて翳し、


「……上級の段」


バッと右足を退き、左手を挙げ、


「アクア・ムーブ・オーディションッ!」


振り下げると同時に手から光線のようなものが一直線にロイドの方へ。


「っ!?」


ロイドはすぐさま横に飛び、そのまま観客席へとぶつかっていった。


ドォオオンッ!!と激しい音が続く。


シールドが張られていて良かったかもしれない…が、


この魔法はこれだけでは終わらないんだな。


あたしは左手を横に振った。


すると、軸を変え……。


「……っぐはっ!!」


そこまでは読み取れなかったらしい。


背中に直撃し、ロイドは2メートルぐらい吹き飛んだ。