魔法陣から現れたのは、龍の顔に牛の尾、馬の蹄に黄の毛の……。
「"麒麟"じゃのぅ」
「……ですね」
あれが、麒麟。
「'今ここに召還されし霊獣よ五星亡にかけて空(クウ)に昇りたまえ!'」
レイの言葉を合図に麒麟が走りながら暗雲の覆った蒼空に昇っていく。
――ドンッ
ぶつかり合う音が響く。
「……'光よ暗雲を払いたまえっ!!'」
――カッ
「きゃあっ!!」
「んなっ!」
一段と輝く光に顔を逸らし目を閉じた。
「……わぁ!」
ジュリアの喜々が混ざった声。
「!」
目を開けると蒼い蒼空が広がっている。
「……よし、完了!」
魔法書を閉じたレイがこっちに歩いてきた。
「麒麟をだすとは…やるなイースターの娘」
「何千年振りだろ」
「精霊妃様。 "アレン"さん、やっと話ができましたか」
アレンさん……。


