『唯一覚えてるのが黒い人と夜を過ごしていた、それだけで…後は』


レミリアはくしゃくしゃの紙を広げあたしに見せる。


『'どういう事か知りたいなら裏庭においで'書いてあって、ワタシ従ったら…レイと…』


何かを言ううちに何かが風を切る音が聞こえた。


何回も。


あたしはすぐさまレミリアを後ろに庇い、風を唱えた。


音の正体は矢で、事前に痺れ薬が塗り込まれていた。


それを知らずに回避しきれなかった矢を左腕に突き刺してまった。


力を振り絞り魔法書を上に放り投げ地面に倒れ、魔法書は精霊達が何とかしてくれたと思う。


薄れゆく意識の中で見たのは何かを言って泣き叫んでいるレミリアだった。








「――……そのまま目を閉じちゃってここに来たの」


あたしは一通り話終えて一息ついた。


ノルンとアレンさんは複雑そうな表情を浮かべている。