魔法書使いの蒼き人


「あたし、探してくる」


道が詳しいのはあたしぐらいだし。


「ダァチってどこに行ったの?」


「五軒離れた店のトコ」


マリーヌが指を指した先はあたしとリュウキが来た道とは逆方向。


「……来たんじゃね?」


ロイドが眉を寄せ、差した先を見る。


ロイドが言った通り、ダァチはこちらに向かっていた。


……何かがおかしい。


服装はいつもの騎士服だが、手には忘れ物であろう包みを、


反対の手には女性の手を引いている。


`……。´


皆が唖然としていた。


「すみません。 時間がかかってしまいました」


ダァチがあたしらの前に立ち止まった。


「……どういう事っ!?」


マリーヌが頭を押さえ青ざめた。


「……あ、じ、実はこちらの女性が話があると言う事で連れてきたんです」


ダァチが指した女性の顔を見る。


見覚えのある顔だ。