魔法書使いの蒼き人


「ち、ちょっと……」


レイの声に焦りが混ざっていた。


「……ワタクシの命に応じるのならこの手を取りなさい」


レミリア様は目を細めて手をロイドに差し出す。


「……」


ロイドは顔を俯かせたままゆっくりと立ち上がる。


表情が読み取れない。


そのまま手が持ち上がりレミリア様の手に、


乗ることなく下ろされた。


「お断りします」


低い声がこの場に響く。


頭をあげるとロイドの瞳はオレンジ色に戻っていた。


それを見てレイは安堵の表情を浮かべた。


「ジミー」


本名を言うわけにはいかず、心の中でロイドと言った。


だが、ここで安心する場合でははなかった。


「……ぅ……て」


小さくレミリア様は呟いた。


小さ過ぎて誰も聞き取れない。


――カタッ


扇子を蒼のロングカーペットの上に落とし、身体を震わせる。


――ガッ