魔法書使いの蒼き人


「ちょっとごめん」


そう言って、マリーヌの顔を両手で押さえ額と額を合わせ目を閉じる。


「……ん、場所は分かった。 そこまで移動するからどこか掴んでてね」


と言い場所から降りた。


外を見てるとレイの後ろにロイドとウェンディが立っていて、レイの背中に片手を添えている。


レイが両手を横に開き、足元の魔法陣が光った。


大きさは三人と馬車が入るくらいの大きさ。


「……'風の属性において他の土地に赴かせよ! スペースタイム・トラベル!'」


それが合図かのように魔法陣が一段と光り輝く。


光が最高潮に達したとき、何もなかった土地から一瞬にして建物が並ぶ土地へと変化した。


――ガタンッ


「おわっ!!」


どうやら浮いていたようで、馬車は一跳ねしてから地面に降り立った。


「予約時間までそんなないからマリーヌ急いでっ!」


外からレイが声を掛けた。