魔法書使いの蒼き人


「おぉーい、皆集まってー!」


レイが先ほど俺らが乗っていた馬車の隣に立って手を振っていた。


集まるとレイは俺らを見て、


「……とりあえずマリーヌ、ダァチ、クリル、ニーナ、ナルシス、リュウキには乗って欲しいの」


指示通りレイの言われた順に乗り始めた。


窓から見るとレイは一人を残して魔法書に戻していた。


「……何やってんだ?」


俺が首を傾げると向かいのクリルが、


「きっとぉ、イースター国まで"テレポート"するつもりですわぁ」


「なぜそんな……」


……この後の予定聞いてなかったな。


ジッとマリーヌを見ると、両手を組んで視線を逸らす。


「ここの通路はいつもの距離より比較的短くて、隣国なら半日も掛からないの。 今日寝泊まりする所も手配していて予約時間までそんな無いの」


――ガラッ


レイが入ってきて、マリーヌの前に立った。