魔法書使いの蒼き人


「もしかして、マリーヌ・ノースト様!?」


あ、知ってるんだ。


「そうだよ。 ニコラス、あんたはどのような懲罰を希望してるの。 地位剥奪? 国外追放? それとも…死罪?」


これは、全て真実。


何年もの前から今も続いている。


あたしの言葉に周りが青ざめたが気にしないでおく。


「……お、お許しを……」


ニコラスの身体が小刻みに震え始めた。


「は? あんたはあたしを怒らせたんだ。 レミリアよりは下だがあんたよりは上。 ……まぁ、答えてくれたら考えてやってもいいけど?」


「承知いたしました。 レミリアには『ここを通る馬車を破壊し、乗っている人全員を"皆殺し"しろ』と」


「……他には?」


「理由を聞くと『ここを通るのは悪者が捕まらないようにと造ったもの。 だから殺しても、あなたは何も罪は問われない』と」


それを聞いて馬車を襲ったワケか。


疑いもせずに?