魔法書使いの蒼き人


「へぇ…キミ、王宮内にいたんだね。 使用人かな? 名前は?」


「……レイリア」


「レイリア…様っ!?」


ニコラスは顔を青ざめて、姿勢を変え跪いた。


「久し振りだねー、七年振りかな?」


「はっ、さようでございます! あの時…今もレイリア様は大層お美しくございますね!」


相変わらず口は達者ね。


「褒め言葉はどーでもいいんだよ。 それよりレミリアになんて命令されたんだ?」


「……それはさすがにレイリア様にはお伝えすることはできません。 ましてや「王宮出たからと言って王族権利を剥奪されたとはいえないから。 あたしも初めはそうじゃないかと思ったけど後からマリーヌに言われたの」」


あたしはまだ王族でいられるんだ…と。


「マリーヌ?」


「そうだよ。 あたしと同じ馬車に乗っていたの」


「わぁっ!」


マリーヌをニコラスの前に突き出す。