魔法書使いの蒼き人


「だって、ここを知るのは"王家出身"の者。 何かしらの理由でここを必ず……」


……え、王家?


「……レイ?」


マリーヌが顔を覗き込んできた。


あたしは状況を整理するため頭を押さえる。


「今日はイースター国へ向かう…その途中の襲撃、目の前にいる男……」


「レイ、レイっ!?」








……思い出した。


あたしが王宮にいた時に見たことがあったんだ。


確か名前は、


「…………"ニコラス"」


「!? どうしてボクの名前をっ!!」


……っ、違うって言って欲しかったな。


「レイ、知ってるの?」


すがりつくように聞いてきたマリーヌにあたしは頷く。


知ってるも何も、コイツ…ニコラスは、


「……レミリアの"婚約者"だよ」


`!!?´


一瞬で場が凍り付いた。


ニコラスはあたし達を見て笑みを浮かべた。