魔法書使いの蒼き人


――ザリッ


「久しぶりの再会を喜びたいのはわかるが、そこら辺にしてくれないか?」


「蒼髪! この前のお返しをしてやるっ!」


正面から現れたのは、紫色の髪と藍髪の二人の男子生徒。


「……確か、藍髪は図書室で蹴り飛ばしたんだったね。 あれはアンタが悪いんだよ? 自業自得じゃん」

蹴り飛ばしの言葉にダァチはギョッとし、あたしを見た。


「うるさい! 好きな女に近づいて何が悪いっ!」


「悪いも何も無理強いは誰でも嫌だよ? それに気づかないとか冗談は顔だけにしたら?」


カアッを顔を赤らめる。


紫色の髪の男子はばつが悪そうな表情をしている。


「……蒼髪! 俺と勝負しろっ! ロイドに勝ったのはどうせ偶然だろっ?」


偶然って。


仕方なしに一歩前に出ようとしてダァチに制された。


「なによ。 アイツなら素手で一発よ」


あたしが言うとダァチは首を横に振る。