「……わかったよ、行けば「その必要はない!」」


――ガサッ


俺の言葉を遮ったかと思うと、正面の草村からレイが頭を出した。


所々についた葉っぱを払いながら草村から出てくるレイは誰かを小脇に抱えている。


「レイちゃんなんでっ!?」


「いや、ね…ダァチの気配を感じたがら近道を通じて"この子"を引き渡そうかと……」


レイが小脇に抱えている人物に目をやって俺は固まった。


セミロングの栗色に同じ色の二重の丸い瞳。


黄のスカート姿に胸元にピンクのリボン、焦げ茶の膝下ブーツの姿。


「……レイ、まさか……」


「そうだよ。 今から四人が捜そうとしていた人物だよ」


レイの隣に下ろし逃がさないように肩をがっちりと掴む。


「はいっ、自己紹介」


「……マリーヌ、です」


背丈はニーナより小さいが、彼女はこの国の姫なのだ。