レイが生活している所は学園寮から離れた木で造られた小屋。


森の中にあって見つけるのに時間がかかった。


「……レイ、入るぞー」


中からの返事がない。


「!」


ロックは掛けていないようだからすぐに開けられた。


中は普通に生活できるようにキレイで、ベッドや机、小さな棚やイスいくつか置かれていた。


レイは窓の近くに置かれた棚の上に座り外を見ている。


上空の双月をただぼんやりと。


声を掛けようとしたがやめる。


掛けられる雰囲気ではなかった。


ふとレイの目が潤んでいた。


まさか、泣いて……?


そう思った瞬間レイがこちらを向き、


「……来たなら声をかけてよ」


そう言いレイは笑った。


いつもの笑い方とは違う。


「聞くならそこのイスに座りな。 ……話すから」


指示通り俺は座った。