「桜」


不意に呼ばれた名前に
体が過剰に反応する



「なに?」この言葉すら
発することができない。





体の震えが止まらない。
涙が止まらない。



私の今の状態は....あの時に似ている




そう考えたら
晴希に裏切られるんじゃないか。
そんな事を思ってしまう





「こっち向け」


命令形な晴希の言葉にも今は従えない




体が動かないの




ずっとしたを向いたままの私に
痺れを切らしたのか
晴希が近づいてくる気配がする





私も下を向いたまま後ろへ一歩一歩下がって行く