「今日は一緒に店来るでしょ?」
「どうしようかな…。陸、私が居ると気が散らないの?」
私は体を起こすと、少し考えながら答えた。
「全然。ななちゃんとずっと一緒だと嬉しいし」
次の日が休みだとわかっている日には、本当に時々だけれど陸の出勤と共に店に顔を出す事があった。
陸がバーテンダーとして働く姿を見るのは、どこか新鮮な気がしてとても好きだった。
私はカウンターの隅に座り、ちょっとだけ大人な雰囲気の陸を眺めて過ごしたり、それに飽きれば顔馴染みになった常連客と適当な会話をして、陸の仕事が終わるのを待つのだ。

