「ななちゃん、終わったよ」
気づけばすぐ隣りに陸が立っていた。
笑うと無くなるタレた目で、私を見下ろしている。
「もういいの? 早かったね」
「うん。ちょっと報告したい事があっただけだから」
陸はそう言うと、来た時と同じように優しく私の手をとった。
「じゃあ、行こっか?」
軽く店内を見回してから、龍さんに会釈をすると外に出る。
店にいたのは、ほんの15分くらいだろうか。
その後は細々とした日用品をいくつかと、ファーストフード店でハンバーガーとポテトのセットを買い、私達は陸のアパートに帰った。
土曜日の穏やかな昼下がり。

