「龍さん、ななは俺のですから」
すかさず陸が私達の間に割って入ってくれた。
私は二人が話しているのを待つ間、店内をうろうろと物色することにした。
単純なピアスから、ボディーピアスに至る様々なものが店内に所狭しとと置かれている。
穴を拡張するのに使う、異様な太さのピアス。
そもそも拡張とは、陸の言うように自傷行為そのものではないのか。
私はそれらを見ながら、そんな事を思っていた。
ここに来るお客さんも、また働いている店員さんも。
一様に、そんな行為に取り憑かれてしまった人達なのだろう。
だとしたら陸や私もまた同様に、その一人なのだ。
その違いなど、見る人から見れば何もないに等しい。

