彼等が神と寄り添って生きるのは、人の生活する空間に寄り添うように死が存在するからなんだと、陸は言った。


人の死が日常生活から完全に隔離されている日本とは、根本的な違いがあるのだと…。


日本人は、自分と他者との違いを比較することで優越感に浸ったりするけれど、彼等には比較することすら必要ないのだ。


物理的には貧しく不自由な彼等でも、精神的には自分達なんかよりもずっと自由なはずだ。


陸は何かを思い出すように、ゆっくりと言葉を選びながら、私に話してくれた。