「でも、見せない」


ニカッと笑う。
しかもドヤ顔で。


「なにそれ? じゃあ、言わなきゃいいのに」

「ななちゃんの事、ずっと想ってたよって言いたかったの」


そう言って、私の頭にポンポンッと手を置く。
今度は優しく柔らかな笑みで。


タレ眼の陸は、笑うと更に眼が垂れてしまう。
日焼けしたせいか、余計にホリが深くなったように思える顔。
長い睫毛に、形の良い唇に、想わず触れてしまいたくなる。


指先でソッと触れて、唇でその感触を感じてみたい衝動にかられる。


こんなに近くで見つめ合っていたら。