今回のように曖昧なプランの旅では、帰国の日時が突然決まったりする。


それは、三日前だったり。
早くても一週間前だったり。


そうなれば勿論、送った手紙が日本に届けられる前に本人が帰国するのは当然の事だった。
本人の帰国後、何週間もたってから『明日帰る』そんな手紙が届く。


言われてみれば、陸の気持ちもわからなくはない。
『そういう事かっ!』と感心しながら陸の話しを聞いていた。


「だけど、手紙はずっと書いてたよ。
送らなかっただけ」

「そうなの?」


またしても意外な告白。
私は陸の顔をマジマジと見つめ返した。