龍さんの事を大切に思う陸の気持ちが、少しだけわかったような気がした。
「てゆうかさ、陸が行ってから七海ちゃんは何してたの?」
「何も。まあ、初めは自分でもビックリなくらい泣きました。
一生会えない訳でもないのに。
それは頭では理解してるつもりだったのに…。
それでも今はだいぶ落ち着いてます。
ただ、軽度の引きこもりにはなりましたけど」
「へえー、七海ちゃんクールに見えて意外と可愛いんだ。やっぱり、制服姿も萌えるし」
「私、意外と普通の高校生みたいです。自分でも驚きましたけど」
なぜだか言葉はすらすらと飛び出してくる。
龍さんの持つ独特の雰囲気が、私を素直にさせてしまう。
とても不思議な人だと改めて思った。

