どうしようもないくらい好きでした(仮)




一月も半ばを過ぎた頃。
寒さは一層厳しくなるばかりで、どんよりとした灰色の空が、まるで私の心の内を代弁してくれているかのようだった。


陸からの手紙は不規則で。
3日も開けずに続けて届く時もあれば、一週間以上何の音沙汰もない日が続く時もあった。


すっかり振り回されている事を不服としながらも、それでも出来る限り陸のアパートに通った。


ポストを確認してから鍵を開ける。
薄暗い部屋の中。
居ないとわかっていながら、陸の姿を探してしまう。


いつものように、お香を炊こうと棚に手を伸ばしてから『ああ、そうか』
お香のストックがもう残りわずかだった事を思い出した。