ベットの端っこに腰掛けたままの私の前で、正座をしたような格好の陸。
手を伸ばして、そっと陸の髪に触れた。
ふわふわのカールがかかった柔らかい髪。
しばらく触れる事が出来ないのかと思うと、無性に切なくなる。
そのまま陸の側まで近寄って行き、今にも泣き出しそうな瞳に、オデコに、唇に優しくキスをした。
「私ね…きっと、もう陸じゃなきゃダメなんだ。他の誰かじゃダメだから。
だから、陸がいなくてもここにいるよ。
陸が帰ってくるの待ってるから」
自然に溢れて出した言葉だった。
紛れもない本心であり、今まで心の奥底に押し殺していた真実の思い。

