陸の大きな手のひらの上では、異様に小さくも見える。 陸の一連の行動を目で追いながら、私は一瞬それが何なのか理解できずにいた。 「ここの部屋の鍵。さっき、ななちゃんに会う前に作って来たんだ」 そう言って差し出されたそれを黙って受け取った。 手の中で小さな重みを感じる。 何の変哲もない鍵だった。 それでも私達にとっては、いったいどれだけの意味を見いだす物だろう。 この小さな鉄の塊は、私達の微妙な関係に大きな変化をもたらす物になる事は間違いなかった。